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武蔵野美術大学を卒業した酒井利夫さんの最初の仕事は、CBS/SONY(現ソニー·ミュージックエンタテインメント)のレコードジャケットのデザイナーでした。次の数年間は、同じくグラフィックデザインの会社を経営していた父親が無くなった後、この業務を引き継ぐことになりました。
1980年に酒井さんはクリエイティブハウスの仕事を開始。人気キャラクター『ふたごのモンチッチ』の商品化等についての専門部署を設立しました。業務の拡大に伴って別部門として発展を続けていきます。
1995年、おもちゃメーカーとして株式会社キューブ(CUBE-WORKS)を設立。セキグチクリエイティブハウスの商権、営業権のそのまま受け継ぎ、独立した起業となったのです。バーチャルな世界には無い、現実の日常生活に喜びや楽しみを与えるような、ユニークな商品。単なる刺激では無く、やわらかく心を満たすようなものを作り出していくことを念頭に、キャラクターのデザインと企画開発、おもちゃやぬいぐるみを製造販売する会社です。
CUBE-WORKSは、アーティストやデザイナーと密接なつながりをもち、協力し合う商品作りに力を入れていきます。収益を優先するよりも、アーティストのアイデアに焦点を当てて幅の広い製品作りを酒井さんは目指してきました。最も人気を集めているコラボレーション商品は、大人にも子供にも愛される電子楽器、明和電機による『Otamatone』(オタマトーン)です。
酒井さんのポリシーから生まれるCUBE-WORKSの商品は、海外でも着実に人気を獲得しています。それは、おもちゃ会社でありながらも、ターゲットを子供だけにしぼることはなく、むしろ大人向けである点がポイントとなっています。日本的な感覚やかわいらしさを持ち合わせたキャラクターや、小型のロボットなど、多くの商品が日本で開発され、そして世界に向けて発信されているのです。
自由につながる世界の中で、携帯電話や新しいテクノロジーには多くの可能性があります。酒井さんはこうしたマーケットで更なる発展を続けていくこと、今後の市場について無限の可能性を見いだしているのです。