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鳴川肇

オーサグラフ開発者

ABOUT

世界をイメージし、離れた場所との距離を考える時、私たちは頭の中で世界地図を思い浮かべます。しかし、そのベースとなっている『世界地図』そのものにいくつかの欠陥があることも事実です。メルカトル図法の欠点を学校で学ぶ機会があったとしても、目からの情報は強く印象づけられ、真実であるかのように考えてしまうものなのです。

鳴川肇さんは、芝浦工業大学を卒業、東京芸術大学大学院、その後の海外生活を経て、現在は東京を中心に活動する建築家、そしてアーティストです。メルカトル図法と同様の平面長方形の形の中に、可能な限り物理的に正確な比例を持つ、新しい世界地図を描くことに成功しました。オーサグラフと名付けられたこの新しい地図は、これまでになかった視点をもたらす画期的な物として受け止められはじめています。

似たようなアイデアを持つ地図としてまず、アメリカのリチャード・バックミンスター・フラーによるダイマクション・マップがあります。鳴川さんもこのフラーの影響を受け、当初は写真表現への応用を考えていましたが、1999年にはオーサグラフを生み出し、2009年にAuthaGraph株式会社を設立することになりました。

"authalic(面積の等しい)" と "graph(図)" を合わせた造語であるオーサグラフは、ダイマクション・マップの持っていた、余白部分が出来海が分断されるという欠点を補ったことから、広範囲における現象や長距離移動の描写という点において、正確さを保つことができる地図です。アイデアは正四面体から得られたもので、キャンディーのパッケージから連想した、子供時代の給食にあった牛乳のテトラパックでした。立体的であり、しかし開くと長方形になるこの形を利用して、オーサグラフが実現したのです。

2011年6月、日本科学未来館に、『つながり』プロジェクトとして、鳴川さんが基本設計と監修に携わった三つの展示作品がオープンしました。大型球体ディスプレイ『Geo-Cosmos』、インタラクティブボード『Geo-Scope』と、オンライン世界地図アーカイブ『 Geo-Palette 』です。 『Geo-Palette』にはオーサグラフが採用、提供されています。

オーサグラフの視点を通して、新しい発見を続けること。自らの建築の原点である地に戻ってきた鳴川さんはのアイデアは、世界に向かって拓かれ続けています。

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